特集:最高に気持ちいい邦画BEST75!!

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中2病が気持ちいい…? ドレスコーズ・志磨遼平が語る映画ベスト1

2016.12.03 レビューインタビュー東京グラフィティ12月号(#141)

東京グラフィティ編集部

東京グラフィティ編集部(Editor)

日本を代表するロックバンド「ドレスコーズ」の志磨遼平さんに、映画について聞いてみました!

―志摩さんが観ていて「気持ちいい」と感じる映画はなんですか…?

すると、かつての自分と重ねあわせてしまう映画を紹介してくれました。

ドレスコーズの志磨遼平さん

志磨遼平(34)アーティスト
2012年1月1日にドレスコーズ結成。2014年9月リリースの『Hippies E.P.』をもって志磨遼平のソロプロジェクトに。最新作は『人間ビデオ』(3DCGアニメーション映画『GANTZ:O』主題歌)。

そしてこれが、志摩さんが紹介してくれた映画!
「潔癖な中学生の鬱屈が発散されていく」ところが気持ちいいのだとか。

『台風クラブ』
1985年/出演者:工藤夕貴ほか/監督:相米慎二/ジェネオン エンタテインメント story:東京近郊の中学校に通う生徒たちは平凡にふるまいながらもやり場のなさを感じている。そんな中、街に台風が接近する。少年少女たちは学校に閉じ込められ、カーニバルが始まる…。

「あの時期の僕らの日常は劇的だった」

 14~15歳の精神状態ってドラマチックですよね。大人の僕らならスルーするようなこともスルーできず、腹を立てたり泣いたり大笑いしたり。何事もなく過ぎ去るということはなくて、毎日何かしらドラマがある。『台風クラブ』は、そんな中学3年生の男女8人の物語。台風が街に直撃する木曜日から日曜日の4日間だけを切り取っています。

 中学生っていつも「何かあれば変わるはずだ」って、きっかけを期待している。だから台風が来るとそわそわ待つんですよ。木曜日はいつもの日常で、金曜日には雲行きが怪しくなり、土曜日には台風が直撃する。それと同時に、普段は隠してる暴力性とか子ども特有の破滅願望みたいなものが出てくる。些細なことで教室で大げんかをしたりね。いよいよ台風が来て、先生が戸締まりをして帰るけど、どうしても家に足が向かなかった男女のグループが学校に残っていた。そこからが一気にすごいんです。

「はしかみたいな10代の病気の象徴」

 学校に閉じ込められている間、生徒たちは一回だけ助けを求めて先生に電話をするんですよ。でも先生は酔っぱらっていて、相手にしてもらえない。主人公の三上くんが「あなたは嫌な人じゃないけれど、僕はあなたみたいな人には絶対にならない」と先生に言って電話を切るところ、同じ目線で観ていた僕は本当にガーンってなった。だって、みんな180%思っていたことでしょ。こんな人には絶対にならないって。その先生はステレオタイプの嫌な教師じゃないし、わりと話も通じる人。でも三上くんはそれすら許せないくらい潔癖。うん、潔癖ですよね、中学生は。

 一つ一つのシーンが意味深で、いくらでも深読みできちゃうんですよね。階段の前で一回立ち止まって悩むとか。それって、階段を登りきったら、絶対にならないと言った大人の側に行ってしまうからなのかなと僕は思ったり。

 中学生の頃って世界が同時進行で変わっていくから、大人は急に汚く見えてくるし、女の子は急にエロく見えてくるし、神経症的な感じで毎日生きているこの感じが、よくそのまま映画になったなぁっていう驚きと、気持ちよさ。僕もモロにこんな感じだったなぁ。

 中学生たちは最後、校庭で雨にびしょびしょに濡れながらみんなで裸になって歌うんですよ。台風の中のらんちき騒ぎは開放的でやけっぱちで、鬱屈した中二病が発散される感じが気持ちよくて、大好き。はしかみたいにみんながかかる、10代の病気の象徴。

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