自立した関係を望む事実婚の二人

左:野田真外(49)映像ディレクター/福岡県出身
右:水谷さるころ(41)イラストレーター・マンガ家/千葉県出身
現在子育て真っ最中!

バツ1同士の二人は、保守的な結婚観と相容れなかったことから離婚をした経緯があり、そのため再婚では事実婚を選択。第一子出産時だけ、子の姓を父親の姓にするために法律婚をし、産後離婚して事実婚の関係を続けている。
野田「お互いにがんばろうぜ」

―これまで結婚に対する願望はありましたか?
多分結婚はできないと思っていたので、願望はなかったですね。そうしたら、自分と結婚してもいいという人が現れて、その方と結婚したのが初婚でした。
―現在の相手と結婚を考えたことは?
一緒に住みたい気持ちはありました。でも、結婚するということに、男は女を養うという旧来的な価値観が含まれているように感じて、それは嫌だと思っていました。
―相手の魅力は何ですか?
自分の思っていることを的確に言葉で表現できるところですね。納得できるので、理路整然と怒られることは嫌じゃないです。
―事実婚カップルの良いところは?
「お互いにがんばろうぜ」と対等な関係でいられるところです。結婚すると男が大黒柱として家庭を支えるイメージがあるけど、本来それはどうでもいいことだから。
―逆に事実婚だと困難なことはありますか?
今のところないです。先日骨髄ドナーになるために病院に行った際も、配偶者の同意が必要な場面で事実婚でもいいか?って聞いたら全然大丈夫でした。
―事実婚に対して周囲の反応は?
特にないですね。むしろ実はうちも事実婚だという人が意外といて、あの家族そうなんだって言われて気づくんです。だから言わなきゃわからないんです。
―法律婚の夫と違うところは?
特には…。ただマスコミ職で毎日家族のご飯を作る男性はあまりいないかもしれないです。共働きということもあり、家事は平等に分担しています。
―二人の理想の将来像は?
これまで行き当たりばったりで生きてきたから、老後のこともそのとき考えると思いますが…。子どもがしたいことができる程度に不自由なく暮らせればいいですね。
さるころ「一緒にいるための努力が前提」

―なぜ事実婚を選んだのですか?
お互い、家庭はこうあるべきという旧来の結婚観で失敗して、一度離婚しているんです。男はこう、女はこうという保守的な考えに、もうとらわれたくなかったので。
―事実婚カップルの良いところは?
相手が何かにチャレンジしようとする際「好きにしていいよ」と思えるところ。結婚していると一蓮托生というか、成功も失敗も背負わなきゃいけないという圧を感じます。
―事実婚で大切なことは何ですか?
二人のルールを守ることです。事実婚は法律婚よりも関係を解消しやすいので、一緒にいるための努力がとても大切なんです。解散!と言ったら解散してしまうので。
―関係を保つために守っているルールは?
一番は、「察してほしいと望む」ことの禁止。「言わなくてもわかるでしょ?」というのは傲慢な態度です。常にお互いの現状を説明する声かけが大切です。
―相手の魅力は何ですか?
40歳を過ぎても自分を変えられるところ。自分を変えるため、私が指摘したダメなところを紙に書き出してくれたことがありました。そのときは感動しましたね。
―相手といて一番幸せな瞬間は?
休日に家族でお出かけし、家に帰ってきたとき、息子が「楽しかったね」と言った瞬間に幸せを感じますね。最近はピクニックで公園によく出かけます。
―これまでで最高のデートは?
今年3月の台湾旅行です。一度もケンカせず、おいしいものを食べて、子どもの好きな動物を見て…。コミュニケーションもプランもうまくいって楽しかったです。
―子育てで、幸せを感じる瞬間は?
よちよち歩きだった息子が自分の手を繋いでくれたときです。「走馬灯で見るな~」と思いました。子どもは、将来自立してくれたらそれでOKだと思っています。

個人と個人の関係に、「こうあるべき」という固定観念はいらないよなぁ。そんなことを思いながら二人のお話を聞いていました。
ちなみに、『30日間世界一周!』などの旅マンガを描かれているさるころさんですが、『結婚さえできればいいと思っていたけど』というコミックエッセイも描かれていて、結婚→離婚→事実婚に至る経験から「結婚とは何か?」を考えたものなんだとか。
たしかに、結婚って何なんでしょうか?
そんな疑問も浮かんできました。
Photo:西田周平
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