人生最高の本、映画

それぞれの仁義を通す、本気の男たちに夢中になった

2016.01.23 レビュー

東京グラフィティ編集部

東京グラフィティ編集部(Editor)

牧達弥(go!go!vanillas)/アーティスト
『ゴッドファーザー』
監督:フランシス・フォード・コッポラ/1972年アメリカ

あっという間に観終わって、ひたすら衝撃を受けた高校生の頃
 初めて『ゴッドファーザー』を観たのは高校3年生。若さゆえか、刺激の強いマフィア映画が当時から好きだったけど、 この映画では刺激だけじゃない世界観を感じて、今までのマフィア映画のイメージががらっと変わって。 パート3まであるのでとにかく長いのに、内容が濃いからあっという間に観終わった。
 この映画は、コルレオーネ家というイタリア系シチリアマフィアファミリーの物語。マフィアの抗争を、親子に渡って描いています。「ゴッドファーザー」と呼ばれるボスのドン・コルレオーネから物語は始まります。ドンが襲撃されたことで息子のソニーが復讐をし、マフィア全体の抗争に発展していく。やがてソニーも暗殺され、堅気だった弟のマイケルが跡を継ぐことに。マイケルは人を殺したこともない大学出の優秀で、頭を使って躍進します。そして「ファミリー」という、血の繋がらない仲間を守るために手を汚していく。嘘をついたり、人を殺したり。それが逆にファミリーを傷つけてしまう。彼の人間くさい葛藤にグッときます。

1秒でもかっこ良く生きようとする男たちの精神力 
父のドンがかつてどのようにファミリーを築いたかというストーリーと、年老いたマイケルのストーリーが交差しながら進む場面はたまりません。ドンは人望が厚くてうまく立ち回るけど、マイケルは空回る。どちらが良い、悪いではなくて、それぞれ譲れない仁義がある。相当な精神力というか、1秒でもかっこ良く生きていようっていうのを感じられる。それが最高にかっこいい。
 物語は、マイケルが生涯を通して守ってきたものを失って終わります。本当にあっけない。心を捨てて、どんな時も感情を表に出さなかったマイケルが最後に出した表情と叫び。人間が崩れていく瞬間が表現されている。『ゴッドファーザー』は人間の生き様の物語なんだと思いました。

映画も、音楽も、はりぼてより「本気」なものがいい
 高校生の頃より今の方が、ずっと胸に響く。「ファミリー」って言っても、血の繋がらない他人なんですよね。それを束ねてる人たちの話じゃないですか。うまくいかないこともあるし、カリスマ性とか、頭も良くないと絶対にダメだと思うんですよね。自分がやっているバンドっていうものも同じことが言える。状況は違うけど、他人同士が集まって、それぞれの考え方がある。曲作りもそうだけど、メンバーの考えを汲んだり、人間関係の難しさをバンドで理解したから、この映画もまた変わって捉えられてきたんだと思う。
 ハッタリでもかました方がかっこいいんだなって思った。例えば、有能な部下が出てくるんですよ。部下は、「暗殺者は自分が倒しておく」と言ってマイケルを逃がすのですが、実際は「自分の命でけじめをとってくれ」っていう話をするんですよ。それ、めっちゃかっこよくないですか? そういう感じじゃないけど、僕も、心配なこともある程度「大丈夫、余裕」って言ってないとだめだなって。メンバーに対してもそうしています。あんまり弱みは見せたくないから(笑)。
 この映画は「本気」なんですよね。テンポ良くカットなど、商業的な編集がされていなくて、監督がやりたいことを全部入れている。背景も建物も本物で、お金もかけていて、演者も本気。それってすごくかっこいい。僕は本気が好きなんです。はりぼてはだめ。

PROFILE

牧達弥(go!go!vanillas)/アーティスト
1989年生まれ、大分県出身。4人組からなるロックンロール・バンド「go!go!vanillas」のボーカル、ギター。2015年4月、メジャー1stシングル『バイリンガール』をリリース。6月には全国8ヵ所ワンマンツアーを敢行。メジャー2ndシングル『カウンターアクション』が9月16日にリリース。11月からはワンマンツアー“COUNTER ACTION TOUR 2015”を開催。

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